SMX™ Technology プラスチックの強度を高め、地球温暖化対策に貢献するイノベーション
Publish On 22, Jul 2021 | SMX™ Technology プラスチックの強度を高め、地球温暖化対策に貢献するイノベーション
現代における製品開発の課題、それは品質の向上と生活・環境の質の改善を両立させなければならないというものです。イノベーションは持続可能性という点で優れた製品やソリューションを生み出し、製造から消費、リサイクルまでのプロセスを高い費用対効果と環境に配慮した方法で実現するための重要なツールです。
SMX™ Technology – Innovation for Sustainability
SMX™ Technologyは、より優れた品質の 高密度ポリエチレン(HDPE)を製造するためSCGケミカルが考案・開発したイノベーションの成果です。製品に求められる高い強度(High Strength)と剛性(Stiffness)を兼ね備えており、強度を維持しながらプラスチックの使用量を減らしたいという産業界のニーズに応えるものです。このイノベーションは原料レジンの削減だけでなく製造工程におけるエネルギー効率も向上させるため、循環経済(Circular Economy)の理念に沿った生産・消費サイクルに貢献します。また最終製品の軽量化は輸送重量の軽減にもつながるため、輸送プロセスで排出される温室効果ガスの削減効果もあります。
SMX™ Technologyが生み出す様々な環境配慮型製品
SMX™ Technologyのイノベーションにより、多様なプラスチック製品ニーズに対応できる各種グレードの SCG™ HDPE 樹脂ペレットが開発されました。次の5つのグレードをメーカー様にはお届けできます。
– SCG™ HDPE S199F: 消費者向けプラスチック容器用フィルムの製造に使用される新世代の樹脂ペレット。フィルム成形効率を維持しつつ、耐衝撃性(Dart drop impact, 落槍衝撃)において既存のグレードより最大20%*優れているという特長があります。このグレードは従来品の代替としてフィルム生産に使用できるため、国内外のメーカー様から高い評価を得ています。
*100% SCG™ HDPE S199F グレードの樹脂ペレットを素材とするレジ袋を使った SCG の試験結果に基づく。
– SCG™ HDPE S111F: 優れた強度と剛性が求められる工業用フィルム・容器向け樹脂ペレット。従来品と同等の機能特性を維持しながら原材料を最大20%減らすことができるため、製造・ 輸送プロセスで排出される温室効果ガスの削減につながります。
-SCG™ HDPE SX002J/ SX002JA: 清涼飲料水のボトルキャップ用樹脂ペレット。従来のキャップと同等の強度を維持しつつ、より薄肉の製品を作ることができるというメリットがあります。原材料を最大30%減らすことができ、成形工程の省エネルギー効果もあるため、消費者の手元に届くまでに排出される温室効果ガスの削減につながります。
– SCG™ HDPE SMX551BU: 特殊な強度が求められる大型ケミカル タンク (IBC) 製造用樹脂ペレット。密閉性と薬品耐性に優れた安全な製品づくりに貢献します。容器の品質特性を維持しつつ使用原材料を 6 ~ 10% 削減することができます。
この他、超軽量ボトル用樹脂ペレットである SCG™ HDPE S411B もあります。従来の強度を維持しつつ原材料を 8 ~ 15% 減らすことができるため温室効果ガスの削減に効果があります。2022年初頭の市場投入に向け鋭意開発中です。
SCGケミカルはイノベーションを継続的に実現し、新製品を続々と生み出しています。循環経済の理念に基づき、環境を守りながらすべての人々が生活の質を向上させ幸福を分かち合えるようになること、また未来の世代に持続可能な世界を引き継ぐために貢献することを重視しています。詳細についてはsmx@scg.com までお問い合わせください。
「SCG ケミカルはHDPE 樹脂の主要メーカーです。IBCタンク用に素材を供給しているのは同社を含めタイで数社しかありません。輸入品の代替として国産品を使用することによりカーボンフットプリントを減らすこともできます。ダウ社は SMX™ Technologyによる SCG™ HDPE SMX551BUグレードの樹脂ペレットを採用することで、IBC タンクの強度を維持しながら厚みを薄くすることに成功しました。タンクの製造に使う樹脂ペレットを最大 6.5%削減することができるため、トラックに積載するタンクの重量を 1 回の輸送につき平均 18 kg 減らすことができます。燃料の消費が抑えられ、輸送過程での温室効果ガス排出を削減することにもつながります」 – Sutin Prapaitrakul 氏 ダウ・タイランドグループ (Dow) Integrated Supply Chain Director